ジャンクカメラを買う 其の1
物凄く久々にジャンクカメラを買った。
昔はOM-1とかPen EEとかFUJICA Halfとか百円ぐらいで買って修理して遊んでました。
今回は中判カメラ、それもZENZA BRONICA ETRです。
中判の電子カメラ、直る訳無い・・・というシロモノです。
本体に120フィルムバック(引き蓋付き)AEファインダー、巻き上げグリップ、ZENZANON MC 75mm f2.8レンズ付きで500円也。
症状はシャッター切れない、という致命的なモノでしたが、何故か引き蓋無しでもフィルムバックが外れ、何かの拍子にシャッターが切れる(電池無しで)というモノで、暇つぶしの相手に購入してみました。
ちなみにレンズは曇り、カビ無しでした。
黒の貼り革にシルバーのボディがかっこいいですが、よく見ると貼り革は縮んでおり、古さを感じます。
各部をバラして観察することにしましたが、AEファインダーが外れません。
ファインダー取り外しボタンが固まってます。
強引にプラハンマーで叩くと動くようになりファインダーが外れましたが、固定のピン、ファインダー側のレールの歪みが有ります。
さらによく見ると左側にある感度設定ダイヤルが歪んでます。明らかな傷はないのですが、ここをぶつけたか、落としているようです。ファンダーを振ると中でカラカラ音がします。
ボディにレンズを付け、電池(4SR44)を入れバッテリーチェックボタンを押すと点灯します。
このまま巻き上げてもシャッターは絶対切れません。
というのも中判カメラ、レンズシャッター機はメカニカルな連動機能が色々あり(シャッターチャージやレリーズ、巻き上げなど)、これらが一致して動かないと用をなさないので、不用意にレンズだけやボディだけが勝手に作動しないようになっています。
しかし、空シャッター位は切れないと整備や調整に支障があり、ちゃんと回避策が用意されてます。ボディとレンズだけで動かすには、多重露光切り替えレバーを操作すれば可能となります。
シャッターはちゃんと切れました。速度設定を変えるとちゃんと変化しています。
しかし、フィルムバックを装着すると、切れなくなります。
フィルムバックとの連動は機械的に成されています。
ボディ後ろの左下にピンがあります。このピンが飛び出た状態(正確にはピン自体はボディの後面の凹部分から出ているので後面からは出ていない)になるとシャッターが切れます。フィルムバックが外れた状態ではピンが出ておりシャンターは切れます。
フルムバックが装着され、引き蓋が外れると、ピンが飛び出た状態と成る筈ですが、フルムバックを装着すると、押し込まれた状態になると言う事が判明しました。
このピンを押し込むのはフィルムバック前面の筒(正面から見ると右下)の中にあるピンですが、引き蓋が外れた状態でもピンが出たままです。
引き蓋がある状態ではピンは引っ込みません。つまり、引き蓋をしたままでは撮影出来ないという安全装置が機能しているわけです。
さらにこのピンはフィルムバックの脱着にも関係しており、引き蓋をしない状態、つまりフィルムバックを外すと装填したフィルムが露光してしまう状態ではフィルムバックが外せない状態にしているはずですが、この個体では引き蓋に関係なくフィルムバックが外せます(笑
フルムバック側に不具合が在る事が判明しました。早速このピン周りを分解してみました。
右上の筒の中に例のピンが入ってます。
引き蓋は外してますので、この角度で見るとピンが見えない(引っ込んだ)状態と成る筈ですが、見えてます。
ピンの上下はマイナスネジで止められた下の部品が上下することで決まります。
この部品が固着してました。サビというか腐食というか・・・。
ネジを外す必要がありますが、問題はネジです。
こういったマイナスネジはカメラ部品では要注意です。プラスネジよりトルクが掛け辛く舐める場合があります。以前古いNIKKORレンズの絞りリングの加工(簡易Ai化)をやっていた時、マウント部分がマイナスネジの古いレンズで舐めてしまい加工できなくなった経験があります。
従って、慎重に外しますが・・・腐食がネジのスクリュー部分位もあるのかなかなか緩みません・・・。一回滑りましたが、なんとか外せました。
腐食部分をヤスリで取り除き可動部分に極々僅かにグリス(レンズ用の)を塗布してみました。
組み直すとピンはスムーズに上下するようになり、ボディに装着した状態ではフィルムバック側のピンは引っ込む(=ボディ側は出た状態)ようになりました。(上の写真は装着時です)
引き蓋を外せば、フィルムバックは外せなくなりました。ちゃんと安全装置も作動してます。
ダミーフィルムを入れて(入れないとシャッター切れない)一連の作動を確認できました。(シャッター速度が正確かは不明です)
後の問題、ファインダーの固定部分の変形、ファインダーのカラカラ音は後日見てみます。